『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大戦争』

絵コンテ・原画 稲野義信

スペシャルな仕上がりだったのが、中盤で鬼太郎とアキオが、バックベアードの砦に忍び込む場面だ。2人をドラキュラと狼男が迎え撃つのだが、奇抜な映像 表現が続出し、その仕上がりはシュールですらあった。正直言うと、初見時には何が起きているのかは分からなかった。何が起きているのはか分からなかった が、怪奇物らしいムードと、ドラキュラと狼男を目の前にして、アキオがパニックに陥っている事は充分に表現されていた。この場面はスタジオバードの稲野義 信が原画を担当しており、この場面のみ、絵コンテも彼が描いている。稲野義信は業界内にもファンの多い、スーパーアニメーターだ。彼のセンスとアイデアに よって生まれたシーンだった。

WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第297回 『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大戦争』

本編中、暗がりの中で鬼太郎とアキオがドラキュラと狼男と立ち回りするシーンというのがあって、どなたの作画(原画)のシーンだったかは知らないんですが、ノーマル+影にBL(黒)影がガッシリと入り、加えて照り返しがたくさん入ってる、という作画が上がってきました。当時の僕はまだ作画とかがよく分かっていなくて、いくら悩んでもどんな画面になるのか、どんな色にすればいいのか分からなくて、一連のカットをごっそり抱えて土田さんのところに相談に行ったのです。

見せられた土田さんも、ちょっと分かりにくかったみたいで、担当の原画さんを直接呼んで打ち合わせされていたのが強く印象に残ってます。いま思えば、動画より、むしろ原画を見て考えた方が分かりやすかったのです。でも、その頃は、仕上げに回ってくるのは、タイムシートと動画だけが入ったカット袋だったのですね。

かくして、僕の初の劇場用作品『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大戦争』は完成しました。

WEBアニメスタイル | 色彩設計おぼえがき[辻田邦夫]第16回 昔々……(11)『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大戦争』

(出典: youtube.com)